前書き

 県内でクワガタを採集している愛好家は「青森県産クワガタの野外採集個体ギネスはどの位だろう」という疑問を持っていることだろう。 そこで、その問いの解答としてこのコーナーを設けた。ここでは、当研究会会員の元に集められた青森県産クワガタの標本の中から特に大きな個体、つまりギネス個体と思われる個体を報告する。この場で報告する青森県産クワガタギネスは、あくまでも野外成虫採集した個体に限っており、幼虫から羽化させた個体や、蛹から羽化させた個体は除外した。日本のギネスは2010年12月発行の「世界のクワガタムシ大図鑑 藤田 宏著」より引用した。写真ではノギスとクワガタの間に隙間が生じているが、標本の計測後、ノギスを置いて撮影した為で、表示サイズは実寸である。

オオクワガタ

青森県ギネス♂74.5mm(日本ギネス77.0mm)

 十和田市の赤平氏が十和田市にて採集。私も以前より情報は得ていたが、確認が取れないでいた。偶々会員の竹林一仁氏がその個体を確認し、撮影したが写真が見つからなかったため、掲載していない。ここでは同サイズの飼育個体を図示している。

オオクワ♂ ギネス

青森県チビギネス♂30,1mm(日本ギネス27,0mm)

 田澤治美氏が1986.11.2日に天間林村小坪にて台風の後倒れたブナ材の芯部より新成虫を採集した個体。同時にオオクワ新成虫を8♂♂14♀♀採集ししている。

オオクワ♂ チビギネス

♀ギネス47.2mm(日本ギネス 47.0mm)

 工藤忠氏が十和田市の灯火にて採集。一緒にいた採集者もあまりの巨大さに圧倒された。♀は比較的大きな個体が採集されるが大体は39〜43mm程度でこの個体はデカイ。

オオクワ♀ ギネス

文章、写真:田野岡 嗣典
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ヒメオオクワガタ

青森県ギネス♂55.7mm(日本ギネス58.0mm)

 中澤均氏が1998.10.10日に、天間林村の柳の木にて採集した立派な個体。時期的にはお盆過ぎ辺りから新成虫がヤナギ、ハンノキ等の枝先で見られるが、最盛期になるとブナ、ヤシャブシ、タラノキ、山ブドウ、アザミ等あらゆる樹木草木で確認される。灯火にも稀に飛来する。現在、53mmオーバーが採集しづらくなった。次点は55.6mm。竹林一仁氏が十和田市で採集した個体。

ヒメオオ♂ ギネス

青森県チビギネス♂27.0mm(日本ギネス 29.0mm)

 私が2008.9.16日に、十和田市の柳の木にて採集。日本ギネスより小さい個体。

ヒメオオ♂ チビギネス

青森ギネス♀40.1mm(日本ギネス 42.0mm)

 田澤治美氏が1997.9.6日に十和田市の柳の木にて採集、田野岡保管。39.0mmまでは数頭採集されているがこの個体は横幅も有り、立派な個体。

ヒメオオ♀ ギネス


文章、写真:田野岡 嗣典
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コクワガタ

青森県ギネス♂54.0mm(日本ギネス54.4mm)

 六戸町の高舘英樹氏が2007.7.16日に、十和田市の灯火にて採集、田名部宏訓氏保管。日本の野外ギネスとさほど変わらない立派な個体だが、田名部宏訓氏が焼山で拾った頭部と前胸しか残ってないコクワはさらに1回りも大きく、もし完品だったら日本ギネスとなっていただろう。

コクワガタ♂ ギネス

青森県チビギネス♂24.0mm(日本ギネス 17.8mm)

 田澤治美氏が1979,7,29日に、十和田湖畔の柳の木にて採集。

コクワガタ♂ チビギネス


文章、写真:田野岡 嗣典
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スジクワガタ

青森県ギネス♂34.4mm(日本ギネス38.4mm)

 竹林一仁氏が、2000.8.10日に、十和田市のクヌギの樹液が出ている根元より採集。低山〜産地のヤナギでみられるが大きい個体は少ない。

スジクワガタ♂ ギネス

青森チビギネス♂15.6mm(日本ギネス 15.0mm)

 田澤治美氏が1986.8.9日に、天間林村の柳の木にて採集。

スジクワガタ♂ チビギネス


文章、写真:田野岡 嗣典
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アカアシクワガタ

青森県ギネス♂ 55.1mm(日本ギネス 58.5mm)

 中澤均氏が1999.8.17日に、天間林村の柳の木にて採集。本県ではアカアシの50mmオーバーの♂個体は非常に稀である。柳の木に付いている大型の♂は、一見ヒメオオのように見えるほどである。

アカアシクワガタ♂ ギネス

青森県チビギネス♂ 23.5mm(日本ギネス 23.4mm)

 私が2000.9.22日に、天間林村の柳の木より採集。

アカアシクワガタ♂ チビギネス


文章、写真:田野岡 嗣典
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ノコギリクワガタ

青森県ギネス♂ 67.9mm(日本ギネス 74.7mm)

 私が2000.9.30日に天間林村の柳の木にて採集。通常ノコギリの新成虫は7月中旬〜8月にかけ発生するが、この年は9月〜10月でも暑い日が続き、翌年出るべき成虫が9〜10月に出現した。成虫になるまでの積算温度は種類ごとによって違う。この年の前年は冷夏で前々年は、8月中は雨ばかり降った寒い年であった。よって、本年は2年で羽化できず3年目に入ったため、大型化したと考えられる。ちなみにこの年、天間林村で9〜10月に採集したノコギリのほとんどが65mmオーバーであった。この個体も生きているときは69mmあったが、縮んでこのサイズになった。

ノコギリクワガタ♂ ギネス

青森県チビギネス♂28.0mm(日本ギネス 26.5mm)

 竹林一仁氏が2002.7.20日に、十和田市の柳の木にて採集。

ノコギリクワガタ♂ チビギネス


文章、写真:田野岡 嗣典
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ミヤマクワガタ

基本型青森ギネス♂ 73.5mm(日本ギネス 78.6mm)

 尾崎俊寛氏が1991.8.24日に、白神山地での灯火にて採集、田野岡保管。

ミヤマクワガタ 基本型♂ ギネス

基本型青森小型ギネス♂34.5mm(日本ギネス31.5mm)

 田澤治美氏が1995.7.22日に、十和田市のミズナラにて採集。

ミヤマクワガタ 基本型♂ チビギネス


エゾ型青森ギネス♂72.5mm(日本ギネス 78.6mm)

 竹林一仁氏が1999.8.11日に、十和田市の山中で遭難しかかった時、ふとミズナラの樹上に巨大なミヤマがペアで付いていたが、その時は竿を持っておらず木の枝を折って何とか採集。

ミヤマクワガタ エゾ型♂ ギネス

エゾ型青森小型ギネス♂39.1mm(日本ギネス 31.5mm)

 田名部宏邦氏が2005.6.26日に、十和田市の灯火にて採集。

ミヤマクワガタ エゾ型♂ チビギネス


文章、写真:田野岡 嗣典
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オニクワガタ

青森県ギネス♂24.1mm(日本ギネス 25.6mm)

私が1996.8.17日に、十和田市のブナ立枯れより採集。8月初旬から山地の立ち枯れ、倒木、灯火に飛来するが、 樹液に来ないため一般的に採集し難い。

オニクワガタ♂ ギネス

青森県チビギネス♂16.8mm(日本ギネス 17.0mm)

 田澤治美氏が1983.8.27日に、十和田市のブナの立枯れにて採集。日本ギネスより小さい個体。

オニクワガタ♂ チビギネス


文章、写真:田野岡 嗣典
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ツヤハダクワガタ

青森県ギネス♂21.2mm(日本ギネス 22.0mm)

 吉川克哉氏が2008.10.25日に、新郷村迷ヶ平にてカツラ材より採集した素晴らしく太い個体。同時に得られた個体も殆ど20mmオーバーであった。

ツヤハダクワガタ♂ ギネス

青森県チビギネス♂13.4mm(日本ギネス 12.1mm)

 田澤治美氏が1984.10.10日に、十和田市のカツラ材より採集した個体。

ツヤハダクワガタ♂ チビギネス


文章、写真:田野岡 嗣典
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