エゾゼミ
体長♂♀共に59.0〜65.0mm。平地種で八戸では赤松林、杉林など針葉樹で発生する。 7月中旬〜9月初旬まで鳴いているが、標高が高い地域では少ない。八戸市内では個体数が減少傾向にある。 次種のアカエゾゼミ、コエゾゼミに似るが、鳴き声、体の色彩、前翅の色彩がはっきりと異なる。灯火に稀に飛来する。 鳴き声はエゾゼミの仲間では一番低く、「ギーー」と聞こえる。文章、写真:田野岡 嗣典
ページ先頭に戻るアカエゾゼミ
体長♂♀共に56.0〜65.0mm。7月下旬から9月中旬まで低山帯に分布するセミで、八戸でも根城地区で記録されているが、青森県内でも局所的で少ない種。 針葉樹林帯では見られず、落葉広葉樹林帯で発生している。体色に変化があり、基本型の他に、稀に腹部背面全体がオレンジ色のアドニス型やその中間型が採集されている。ほぼ全身の黒色部分が消失したコンコロール型(一色型)は、県内ではまだ採集されていない。灯火に稀に飛来する。 鳴き声は少し高い音域で「ビーーン」と聞こえるが、十和田市大沼平地区など3種が混生している場所だと鳴き声だけだと判別しにくい。文章、写真:田野岡 嗣典
ページ先頭に戻るコエゾゼミ
体長♂♀共に49.0mm前後。青森県内でも比較的高い山地帯の広葉樹林帯に生息しており、7月下旬〜8月下旬頃まで発生している。十和田湖〜八甲田方面では普通に産するが、八戸市ではまだ記録がない。県内にいるエゾゼミ類の中では一番小さく判別は容易。鳴き声は「ギーーーー」という連続音でアカエゾゼミの鳴き声より鋭い(高音に聞こえる)が「ビーーン」と聞こえる音質や「ギッ、ギッ、ギッ」と鳴く間奏は非常にアカエゾゼミに近い。文章、写真:田野岡 嗣典
ページ先頭に戻るミンミンゼミ
体長♂♀共に57.0〜64.0mm。7月中旬〜9月上旬まで平地〜低山地の主に松林で生息しており、青森市浅虫、津軽半島、下北半島、岩手県洋野町近辺で鳴き声が確認されていた。三八地方では鳴き声を聞いたことが無かったが、2009年頃より焼山、名久井岳などで聞かれるようになり、2011年には八戸市南郷区島守地区、八戸市是川地区でも鳴き声が確認されるようになった。赤松などの高い位置で鳴くため、一般には採集しづらい。県内では体の黒色部分が退化したミカド型(ミカドミンミンとも呼ばれる)は得られていない。鳴き声は「ミーン・ミンミンミン・ミー」と聞こえる。文章、写真:田野岡 嗣典
ページ先頭に戻るアブラゼミ
体長♂55.0mm前後、♀63.0mm前後。7月上旬〜9月上旬まで落葉広葉樹林帯で発生する。県内では広く平地〜低山帯に分布し、津軽地方ではリンゴ畑の一番の普通種である。八戸市ではかつては沢山生息していたが近頃はあまり鳴き声が聞かれなくなった。灯火に稀に飛来する。鳴き声は「ジー、ジリジリジリ・・・」と聞こえる。文章、写真:田野岡 嗣典
ページ先頭に戻るニイニイゼミ
体長♂33.0〜35.0mm、♀34.0〜38.0mm。6月中旬〜8月中旬頃まで落葉広葉樹林帯で発生する。県内では平地〜低山帯に分布し、八戸ではあまり多くないが、南部町名川地区のリンゴ畑では最普通種である。本種は幹で鳴いていても、翅の模様がリンゴの樹皮に同化して見つけづらい。鳴き声は「チー、ジー」と聞こえる。幼虫の抜け殻(ベコ)は泥まみれになっている個体が多い。文章、写真:田野岡 嗣典
ページ先頭に戻るヒグラシ
体長♂46.0〜48.0mm、♀34.0〜38.0mm。6月末〜8月中旬まで落葉広葉樹林帯で発生し、県内でも普通に見られる。朝は夜明けと共に約30〜60分ほど鳴き出し、夕暮れ時に大合唱する。日中はあまり鳴かないが、曇っている時など稀に鳴いている。体色に変化が多く、背面の緑色部分が褐色になったり、斑紋がはっきりしない個体など出現する。灯火にもよく飛来するが、♀が殆どである。鳴き声は近くの場合「ケケケケケ」と聞こえるが、遠くの場合だと「カナカナカナカナ」と聞こえる。文章、写真:田野岡 嗣典
ページ先頭に戻るエゾハルゼミ
体長♂46.0〜48.0mm、47.0〜48.0mm。春の新緑と共に発生するセミで、5月中旬〜7月中旬まで鳴いている。低山から高山の落葉広葉樹林帯に分布し、県内に広く分布するが八戸では鳴き声を聞いたことがない。階上岳や十和田市蔦などでは普通に見られる。春早く鳴くため、知らない人はかえるの鳴き声と間違える人が多い。鳴き声は「ミョーキン、ミョーキン、ミョーケケケ・・・」と聞こえる。文章、写真:田野岡 嗣典
ページ先頭に戻るツクツクボウシ
体長♂42.0〜46.0mm、♀40.0〜44.0mm。暖地では普通種で、青森県では局地的に分布し、津軽半島や深浦町周辺で採集されている。八戸近辺では鳴き声を聞いた事が無いが、十和田市で鳴き声を聞いたとの情報もあるが、不明である。広葉樹の細枝で鳴き、網をかぶせると通常のセミは網側に落ちるが、このセミは反対側に逃げてしまうため、採集しづらい。鳴き声は「ツクツクオーシ、ツクツクオーシ、シェー」と聞こえる。文章、写真:田野岡 嗣典
ページ先頭に戻るチッチゼミ
体長♂♀共に25.0〜30.0mm。青森県では一番小さいセミで、県内では広く低地〜高地の主に松や杉などの針葉樹の枝先で鳴いている。もともと小さいため発見しづらい。八戸でも豊崎、下長、是川、松館、吹上などで鳴き声は聞かれている。下北半島の恐山ではツツジの低木で鳴いているのが確認されている。鳴き声は「チッチッチッチ・・・」と聞こえる。文章:田野岡 嗣典
写真:市川 裕二
ページ先頭に戻る写真:市川 裕二